EU向け「SEAFOOD RAMEN」について

2021年8月19日

EU向け「SEAFOOD RAMEN」の2-クロロエタノール（2-CE）検査結果と見解

拝啓　日頃より格別のお引き立てを賜り厚く御礼申し上げます。
この度、問題となっている「SEAFOOD RAMEN※」につきまして一部メディアでお騒がせしており、誠に申し訳ございません。今回問題となっている商品はEU向けに輸出されたものです。この商品からEUの基準値を超える「2-クロロエタノール（2-CE）」の成分が検出されました。なお、日本におきましては、今回問題となっている「SEAFOOD RAMEN」は一切輸入しておりません。

また、当該商品については、8月17日に韓国政府の食品医薬品安全処から発表された検査結果を下記のようにご説明申し上げます。
※SEAFOOD RAMEN（韓国国内での商品名：ヘムルタン麺）

記

１．検査結果
EU向け商品である「SEAFOOD RAMEN」の麺、かやく、スープを個々に検査をしたところ、発がん性物質の「エチレンオキサイド（以下、EO）※１」は不検出であり、発がん性物質ではない「2-クロロエタノール（以下、2-CE）※２」が微量検出されましたが、人体に有害の恐れはない数値でした。

2-CEは輸出向け「SEAFOOD RAMEN」のかやくの中の乾燥ねぎから0.11㎎/㎏、韓国国内向け同商品のかやくから2.2㎎/㎏が検出されました。原因はかやくの中の乾燥ねぎと特定され、混入経路、原因の詳細は現在調査中です。

※１　EO（エチレンオキサイド）
農産物などの燻蒸剤、殺菌剤などに使用され、医療用品の殺菌用途などでも使用されることがある。発がん性物質として分類されている。

※２　2-CE（2-クロロエタノール）
発ガン物質であるエチレンオキサイド（EO）の代謝産物で、生成、又は自然環境などを通して非意図的に生じる可能性のある物質で皮膚に吸収されると毒性症状が現れるが、発ガン性はない物質に分類される。

EUでは他国と異なり、EOと2-CEの合計値がEOの基準値として設定されております。今回検出された物質は発がん性物質ではない2-CEであり、EU外の基準値の設けている国に関しては基準値内の数値になります。

２．韓国国内の基準値設定
今回の事例を受け、韓国国内では2-CEについて、新たに以下の基準が設定された。
－農・畜・水産物及び加工食品：30mg/kg以下　　幼児摂取対象商品：10mg/kg以下

３．諸外国の基準
アメリカ・カナダでEOは７～50mg/kg、2－CEは940mg/kgで基準を設定しており、ヨーロッパはEOと2－CEの合計値として0.02～0.1mg/kgを基準としている。その他の国は基準値無し。

国家	EO（㎎/㎏）	2-CE（㎎/㎏）
KODEX（韓国）	なし	なし※新基準は上記項目2を参照
アメリカ	香辛料、乾燥ハーブ類：７乾燥野菜類、甘草、ごま：７クルミ：50	香辛料、乾燥ハーブ類：940 乾燥野菜類、甘草、ごま：940
カナダ	香辛料、乾燥ハーブ類、乾燥野菜類、ごま：７	香辛料、乾燥ハーブ類、乾燥野菜類、ごま：940
ヨーロッパ連合	穀類、果物類、野菜類：0.02 堅果類、ハーブ類、油脂種実類：0.05 お茶、香辛料など：0.1	なし
日本	なし	なし
オーストラリア	なし	なし
ニュージーランド	なし	なし
中国	なし	なし
インド	なし	なし

４．現時点での弊社としての見解
以下の点から農心ジャパンといたしましては、現時点で日本に流通している商品は問題ないと判断しております。

「SEAFOOD RAMEN」はEU向け商品であり、日本国内では流通していない。
日本においては、EO・2-CEに関する基準値は設定されていないものの、農心ジャパンの日本国内の流通商品はいずれも、日本の食品安全基準で実施している輸入検査を通過したものを販売している。

また、EU向け「SEAFOOD RAMEN」において検出された成分におきましても、以下の点から安全面に問題はないと判断しております。

実際に検出された2-CEは発がん性物質ではない。
2-CEは、日本をはじめ、基準値が設定されていない国が多い中、今回検出された値は、アメリカ・カナダ・韓国（新基準）といった基準が設定されている複数の国の基準値を下回るものだった。

尚、混入経路・原因の詳細等、調査中の内容については、判明次第、追って弊社ホームページにてご案内させていただきます。

皆様にはご心配およびご迷惑をお掛けし、誠に申し訳ございません。なお一層食品の安全には十分に気を付けて製造販売していく所存でございます。

引き続き弊社製品をご愛顧くださいますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

敬具

参考文献：韓国の食品医薬品安全処の検査結果